トップページ > ケアマネ過去問トップ > 平成21年度(第12回) 保健医療サービス分野・基礎 > 正解と解説



 平成21年度 保健医療サービス分野(基礎) 正解と解説


問題 正解 1・4・5
1 CRP(C反応性蛋白)は、炎症を反映して上昇します。
感染症や膠原病などで上昇が見られます。
×2 クレアチニンは糸球体でろ過され、尿中に排泄されます。
腎機能が低下すると、クレアチニンが糸球体でろ過できず、結果として血中のクレアチニン値は上昇します。
ただし、高齢者ではクレアチニンの産生が減少し、血中のクレアチニン値が正常でも糸球体ろ過率が低下している場合があるので注意が必要です。
×3 1秒率とは、精一杯息を吸って吐き出したときの最初の1秒間の量の割合をいいます。
1秒率の低下は、呼吸機能の低下を表します。
呼吸機能が低下すると、1秒率のほかに肺活量、1秒量などが低下し、残気量が増加します。
○4 血小板は傷口をふさぎ、止血する作用を持ちます。
血小板が減少すると出血しやすくなります。
5 アルブミンは、蛋白質の栄養状態を見るのに適した指標です。
3.5g/dl以下では低栄養が疑われます。




問題2 正解 1・2・3
1 一般に十二指腸潰瘍では空腹時に腹痛がみられ、胃潰瘍では食後に腹痛がみられることが多いです。
2 筋萎縮性側索硬化症は、全身の骨格筋が萎縮し、四肢の筋力低下などが生じる原因不明の進行性疾患です。
3 脳内出血は、脳内の血腫による頭蓋内圧亢進症状(頭痛、意識障害、嘔吐など)がみられます。
×4 前立腺肥大症の自覚症状として、特に夜間の排尿回数の増加がみられます。
×5 運動時の前胸部圧迫感が特徴的なのは、労作性狭心症です。
異型狭心症は冠動脈の攣(れん)縮によって起こるもので、
労差の有無によらず夜間や未明、睡眠中などに前胸部に圧迫感を覚えるのが特徴的です。




問題3 正解 1・3・5
1 パーキンソン病の四大運動症状は、振戦、筋固縮、無動、姿勢・歩行障害です。
×2 脊髄小脳変性症とは、運動失調を主な症状とする原因不明の神経変性疾患の総称です。
いくつかの病型がありますが、歩行のふらつき、上肢がうまく使えない、ろれつが回らないなどの症状がみられ、緩徐に進行するという特徴があります。
3 閉塞性動脈硬化症とは、動脈硬化によって血管が狭窄したり閉塞して、抹消に十分な血液が送れなくなった状態です。
大腿動脈で起こると下肢に虚血が生じ、歩行時に下肢痛が出現し、止まってしばらく休むと痛みが軽減することで自覚することが多くなります。
これを
間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます。
×4 呼気延長とは、息を吐き出すのが困難でゆっくりしか吐き出すことができない状態で、肺気腫、慢性気管支炎など慢性閉塞性肺疾患に共通してみられます。
肺結核では、咳、痰、血痰、喀血、胸痛などの症状がみられます。
5 関節リウマチは原因不明の進行性の多発性関節炎で、自己免疫が発症に深くかかわっていると考えられています。
朝の手のこわばりは、診断基準の項目にもあげられる
関節リウマチの特徴的な症状です。




問題4 正解 3・5
×1 肝硬変の原因は、ウイルス性肝炎、特にC型肝炎によるものが多いといわれています。
×2 がんの罹患率は、女性よりも男性の方が多くなっています。
国立がんセンターがん対策情報センターの統計によると、2003年の罹患率は、男性597.7、女性412.2で、部位別では特に口腔・咽頭、食道、胃、肝臓、喉頭、肺、膀胱で男性の方が高くなっています。
3 例えば催眠鎮静薬、抗不安薬などとして用いられるベンゾジアゼピン系薬剤では、ふらつきや転倒、前向性健忘、尿失禁などの副作用がみられることが知られています。
×4 便秘の原因には、器質性のものと機能性のものがあります。
器質的便秘とは腸閉塞や大腸がんなどが原因で起こる便秘で、腸管の運動能の低下による腸内容の停留は機能的便秘です。
5 加齢に伴う動脈硬化や高血圧で、循環器系障害や脳血管障害を引き起こしやすく、それに伴ってめまいが起こることも多くなります。




問題5 正解 3・5
×1 栄養・食生活アセスメントには、身体計測、生理・生化学検査、臨床診査、食事調査があります。
血液の生化学検査が、体重測定以外の唯一の栄養評価方法ではありません。
×2 日本人の食事摂取基準2010年版によると、蛋白質の推奨摂取量は、男性は12歳以上ですべて60g/日、女性は18歳以上ですべて50g/日とされています。
高齢者も成人と同じです。
3 いわゆる健康食品のうち、国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たしたものは、保健機能食品と称することが認められています。
個別の許可の有無、目的や機能の違いなどによって
、特定保健用食品栄養機能食品に分類されます。
×4 中心静脈栄養法とは、カテーテルやポート針を用いて点滴ルートを確保し、高カロリー液を輸液する方法です。
ルート刺入部から感染症を引き起こす可能性が高いため、清潔操作が重要です。
5 味覚が低下すると味を薄く感じることが多く、味つけが濃くなって塩分や糖分を取りすぎてしまう場合も多いので、注意が必要です。




問題6 正解 3・4
×1 薬価基準に収載され、診療報酬の対象とされている医療用漢方製剤もあります。
×2 WHOのがん疼痛治療指針は、全世界のあらゆる国に存在するがん患者を痛みから解放することを目的として作成されたものであり、高齢者もその対象です。
3 喫煙習慣は、慢性気管支炎や肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患の発症と深く関与しています。
4 黒いタール便を見たら、上部消化管出血を疑う必要があります。
×5 高齢者が不眠を訴える原因や背景は様々です。
訴えをよく聴き、原因を追究し、原因を取り除いたり不眠が解消できるよう適切に対処する必要があります。




問題7 正解 2・3・5
×1 褥瘡は、同一部位が長時間圧迫されることにより血行が悪くなって壊死を生じることもある状態です。
ちょっとした油断や不注意で、
1〜2日で生じることもあります
2 定期的な体位変換や清潔保持、適切な栄養補給など、褥瘡を発生させないようにすることが重要です。
発生してしまった場合でも、早期の発赤の段階で気づき、
適切な治療と看護、介護で進行させないことが必要です。
3 発赤は褥瘡の赤信号ととらえ、医療職と連携してそれ以上進行しないように最善を尽くします。
×4 発赤部分への直接のマッサージは避けます。
5 エアマットレスは、空気圧を利用して身体全体を包み込むようにして、体圧を分散させる仕組みです。
空気をいっぱいにして硬くなりすぎても、少なすぎて底付きしてもいけません。




問題8 正解 4・5
×1 併用薬剤の相互作用や副作用だけでなく、いわゆる健康食品やその他の食品と影響し合っている可能性もあります。
減量や使用中止を自分で勝手に判断せずに、
医療専門職に相談すべきです。
×2 薬は、水またはぬるま湯で飲むのが基本です。
上半身を起こした状態で、多目の水で飲むようにします。
×3 腎機能が低下していると、薬物の排泄が遅くなり、薬の作用が増強してしまうことがあります。
4 抗うつ薬では、口渇、排尿困難、便秘、眠気などの副作用が知られています。
5 せん妄などの精神症状を生じやすくなります。




問題9 正解 3・4・5
×1 がんの場合は、日常生活等の機能は死亡の数週間前まで保たれ、ある時期を境に急速に低下していくことが多いです。
×2 臓器不全の場合は、ときどき重症化しながら長い期間にわたって機能が低下していくことが多いです。
3 老衰や認知症などの場合は、臓器不全以上に長い期間にわたって徐々に機能が低下していき、「最後」の予測は判断が難しい場合が多いです。
4 予想外の事態や、時期によって医療のかかわる時間や内容も変化するので、必ずしも「在宅」にこだわらず、医療機関での入院治療も選択肢のひとつとして想定しておく必要があります。
5 老衰や認知症などの場合は、長い経過をたどることもあるため、廃用症候群を予防したり、その悪化を防ぐためにリハビリテーション専門職と連携することが重要です。




問題10 正解 2・4・5
×1 一般的な調理は、生活援助に含まれます。
2 おむつ交換は排泄介助であり、身体介護に含まれます。
×3 身体介護とは、利用者の身体に直接接触して行う介助サービス、利用者のADLや意欲の向上のために利用者と共に行う自立支援のためのサービス、その他専門的知識や技術をもって行う利用者の日常生活上・社会生活上のためのサービスです。
リハビリテーションは含まれません。
4 通院・外出介助は、身体介護に含まれます。
5 清拭・入浴介助は、身体介護に含まれます。




問題11 正解 1・3・4
1 特別管理加算が算定できるのは、在宅自己腹膜灌流指導管理等を受けている状態、気管カニューレ等を使用している状態、人工肛門等を設置している状態、真皮を超える褥瘡の状態等の利用者です。
×2 長時間訪問看護加算は、訪問看護提供時間が通算して1時間30分以上となった場合に算定できます。
3 利用者の身体的理由で1人の看護師等による訪問看護が困難と認められる場合、暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる場合等に、複数名訪問看護加算を算定できます。
4 暴力行為が認められる場合は、複数名訪問看護加算の算定の対象となります。
×5 ターミナルケア加算を算定することができるのは、死亡日前14日以内に2回以上ターミナルケアを行った場合です。




問題12 正解 1・4・5
1 指定を受けた訪問看護ステーションの保健師、看護師または准看護師等、訪問看護師は、居宅療養管理指導を行うことができます。
その内容は、
療養上の相談および支援です。
×2 居宅療養管理指導を行うことができるのは、管理栄養士です。
×3 居宅療養管理指導は、区分支給限度基準額の対象とならないサービスです。
4 サービス担当者会議では、居宅療養管理指導以外のサービスに対する医師や歯科医師の意見を聴くことも可能です。
5 居宅療養管理指導は、疾病の予防から治療まで、主に医学的な面での指導や助言を受けて快適な生活を送れるようにすることが目的で、在宅で居宅療養上の管理および指導を受けることで、療養生活の質の向上を図ることができる人が対象となります。




問題13 正解 2・3・5
×1 廃用症候群とは、日常生活の活動性の低下、つまり使わないことによって起こる身体的・精神的機能の全般的な低下のことです。
2 褥瘡は、同一部位に持続的に圧力がかかることで生じます。
骨が突出している部分ができやすくなります。
3 便の形状や量などから状態をみて、経管栄養剤の量や内容の変更をすることが必要です。
×4 口腔ケアは、摂食や嚥下などの口腔機能の保持によってADLやQOLの維持・増進を図ることを目的としており、全身の様々な効果が期待できます
5 34℃以下の状態を低体温といい、低栄養、甲状腺疾患、中枢性の疾患等で引き起こされることがあります。




問題14 正解 2・5
×1 ノロウイルスの消毒には、一般に次亜塩素酸ナトリウムが用いられます。
2 一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、新型インフルエンザ等の感染症、無症状病原体保有者、新感染症にかかっていると疑われる者を診断したときは、直ちに、氏名、年齢、性別、その他厚生労働省令で定める事項を、保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならないと感染症予防法に規定されています。
結核は二類感染症であり、この対象です。
×3 経管栄養を行っている場合、唾液の分泌が低下して自浄作用も低下するので、積極的な口腔ケアが必要です。
×4 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって起こるものです。
5 機械的刺激や感染に対する抵抗力が低下しており、う蝕や歯周病が起こりやすくなります。ADLやQOLの維持・向上のためにも口腔ケアが重要です。




問題15 正解 1・2・3
1 常勤の管理栄養士を1名以上配置していることは、算定の条件です。
2 栄養ケアの実施においては、栄養ケア計画に基づいてサービスを提供し、栄養食事相談などを実施し、経過を記録し、食事摂取状況や食事に関するインシデント・アクシデントの事例等の把握を行い、栄養ケア計画の進歩状況を定期的に評価して、必要に応じて見直すことが必要です。
3 質問票、体重減少率、上腕周囲長・上腕筋面積、血清アルブミン、食事摂取量などから、利用者の栄養状態、低栄養などのリスクを把握すること栄養スクリーニングといいます。
栄養スクリーニングをふまえ、解決すべき課題を把握することを
栄養アセスメントといいます。
×4 栄養ケア計画は、管理栄養士だけでなく、医師、歯科医師、看護師、介護支援専門員など他の職種が共同して作成します。
×5 低リスクの者に対しては、おおむね3ヶ月ごとに栄養状態のモニタリングを行います。