介護福祉士 第22回 介護概論 解説


[問題1] 解答2

利用者の安眠を図る上で利用者のベッドに介護福祉士が入ることは不適切であるとともに、勤務中である介護福祉士が朝まで一緒に眠ることも不適切である。

正しい。
研修会や学会などで用いる資料で事例を取り上げる場合には、個人情報の保護を図る必要があるため、資料の利用者氏名を匿名にする必要がある。

たとえ旧友であっても、利用者の情報は利用者の同意なしに漏らしてはならない。

勤務中の私用メールの送受信は厳禁である。

利用者の家族からの贈り物は受け取ってはならない。



[問題2] 解答2

適切である。
訪問介護員は虐待の可能性があると感じた場合、腕の他にあざがないかを観察して、虐待の有無や頻度などを確認する必要がある。

不適切。
訪問介護員は虐待の可能性があると感じた場合、「大丈夫です」という母親の言葉を受け止める必要があるが、事業所の上司などに報告するとともに関係機関と連携を図り、虐待の有無について把握する必要がある。

適切である。
訪問介護員は虐待の可能性があると感じた場合、事業所の上司に相談して、今後の対応について検討する必要がある。

適切である。
訪問介護員は虐待の可能性があると感じた場合、息子への母親の関わりを観察して、虐待の有無について把握・確認する必要がある。

適切である。
家族介護者の介護疲労によって、虐待が発生する場合がある。
虐待の可能性がある場合には、訪問介護員が息子に介護負担感について聴くことは適切である。



[問題3] 解答3

適切である。
介護計画は、利用者本人の今までの暮らしに着目し、利用者のライフスタイルに合わせて作成する必要がある。

適切である。
介護計画は、単に利用者の心身機能(ADL・IADL)の維持・改善を目指すものではなく、それとともに本人が望む生活の実現(QOLの向上)を目標に作成するものである。

不適切。
介護計画は介護従事者の意向を優先するものではなく、利用者本人の意向を優先するとともに、家族の意向も配慮して作成しなければならない。

適切である。
介護計画の内容は、本人の意向だけでなく、家族の意向も反映する必要がある。

適切である。
介護計画は、利用者の心身状態の変化や生活環境の変化などに応じて、適宜、変更する必要がある。



[問題4] 解答5

火傷の直後、冷水で下肢を十分に冷やさずにズボンを脱がせると、皮膚に衣類がはりついてズボンと一緒に皮膚がはがれる危険があるので行ってはならない。

火傷への消毒や治療は医療職が行うものであり、介護従事者は火傷箇所に消毒を行ってはならない。

火傷によって生じた水疱は、潰さないようにして被覆する必要がある。

火傷への消毒や治療は医療職が行うものであり、介護従事者は火傷箇所に軟膏を塗ってはならない。

正しい。
利用者が下肢に熱湯を浴びてしまった場合、速やかに冷水で疼痛が軽減するまで十分に冷やし、医療機関へ送致するなどの対応を図る必要がある。




[問題5] 解答3

舌下錠は、体内で溶ける時間やそれに伴う薬の効果などが計算されて作られているため、噛まずに、また飲み込まずに、舌の下に置いて溶かすようにする。

カプセル剤は、体内で溶ける時間やそれに伴う薬の効果などが計算されて作られているため、大きいカプセルであっても原型のまま服用しなければならない。

正しい。
飲みにくい散剤は、医師の了承を得て、オブラートに包んで服用することで飲みやすくなる。

食間薬は食事の最中に飲むのではなく、食事と食事の間に飲むものであり、食後約2時間を目安に服用する。

貼付剤(血管拡張剤)は、胸部・上腹部・背部のいずれかに貼るものであり、毎日同じ部位に貼るとかぶれる危険があるため、その都度貼るところを変える必要がある。



[問題6] 解答2

鉛筆による記入では紙の摩擦によって記入した内容が読み取れなくなったり、故意に内容を消して書き換えることができるため、通常ボールペンを用いる。

正しい。
介護記録には、通常、記録者の署名欄が設けられている。

介護記録は、利用者が施設を退所した場合、退所後2年間は保管しなければならない。

介護記録は基本的に客観的事実に沿って記述されるものであり、記録者の憶測などの主観的意見を記述する場合には、客観的事実とは区別して記述しなければならない。

訂正は二重取り消し線などに訂正印を押し、訂正後の記録は訂正前の記録のすぐ上または隣に書くなどの方法をとる。



[問題7] 解答1

正しい。
虐待防止と早期発見は、地域包括支援センターの業務の1つである権利擁護事業の業務内容である。

身体障害者手帳の交付は都道府県知事が行うものであり、居宅介護支援事業所が行うものではない。

介護認定審査会の設置は基本的に市町村が行うものであり、社会福祉協議会が設置するものではない。

民生委員は、都道府県知事の推薦によって厚生労働大臣が任じるものであり、地域活動支援センターが任命するものではない。

介護予防マネジメントは地域包括支援センターが行う業務であり、介護老人福祉施設が行う業務ではない。



[問題8] 解答4

家屋の構造によって、活用しやすい福祉用具の種類・大きさなどが異なる。
そのため、家屋の構造は、居宅介護における福祉用具の選定において優先度の高い事項である。

家具の配置によって、活用しやすい福祉用具の種類・大きさなどが異なる。
そのため、家具の配置は、居宅介護における福祉用具の選定において優先度の高い事項である。

福祉用具は利用者の身体状況に合わせて、利用者が使いやすいものを選択する必要がある。
そのため、利用者の身体状況は、居宅介護における福祉用具の選定において優先度の高い事項である。

利用者の服薬状況は、福祉用具の選定・活用と直接的に関わるものではないため、他の事項に比べて優先度が低い。

福祉用具をレンタルや購入する場合、利用者に費用負担が発生する。
そのため、利用者の経済状況は、居宅介護における福祉用具の選定において優先度の高い事項である。