介護福祉士 第20回 老人・障害者の心理 解説


[問題1] 解答2

A 正しい。

B 青年期はアイデンティティの確立 対 役割の拡散です。

C 正しい。

D 正しい。



[問題2] 解答2

A 正しい。

B 高次脳機能障害は、日常生活・社会生活への適応が困難となる障害であり、注意集中や意欲発動性の低下がみられ、社会行動面で不安定状態になってしまいます。

C 正しい。

D 正しい。

<参 照>
 「高次脳機能障害」とは、病気や怪我などで 脳に損傷を受け、言語・思考・記憶・行為・学習・
 注意に障害が起こってしまった状態をいいます。 
 注意力や集中力の低下、比較的古い記憶は保たれているのに新しいことは覚えられない、
 感情や行動の抑制がきかなくなるなどの精神・心理的症状が現れ、周囲の状況にあった適切
 な行動が選べなくなり、生活に支障をきたすようになります。
 また、外見上では分かりにくいため、周囲の理解が得られにくいと言われています。


[問題3] 解答4

A 3段階ではなく5段階です。

B 正しい。

@抑圧
自分自身の中で、自分自身が受け入れられない考え方や感情、記憶を否定し、なかったこととしたり、無理矢理忘れようしたりすること。

A合理化
何かと理由をつけて、自分自身の正当性を確保したり、ほかのものに責任転嫁をしたりすることです。
たとえば仕事で失敗したとき、こんな難しい仕事を押しつけた上司が悪いとか、無能な部下が悪いなどと言って、自分の失敗を認めないことなどです。

B同一視
他人が持っている優れた能力や実績を、自分のものであるかのようにみなしたり、感じたりすることです。
優れている他人と同じような行動をすることも含まれます。

C投影
自分自身が「抑圧」している考え方や感情を、ほかの人が持っているように感じてしまうことです。
本当は自分の心のなかにある「嫌悪感」を、相手の心のなかにあると思いこもうとします。
つまり、自分が相手を嫌っているのではなく、相手が自分を嫌っていると思いこもうとするわけです。

D反動形成
「抑圧」した考えや感情と正反対のことをする「防衛機制」です。
例えば嫌いな上司であっても自分自身は、その上司を慕っている、尊敬していると思いこもうとするようなことです。
その思考も行動も強迫的になりがちです。

E逃避
「葛藤」を引き起こすような状況から逃げ出すことで、不安や緊張、恐怖をなくし、自分自身を守ろうとすることです。
例えば嫌いな上司とは顔を合わせないようにしたり、思い切って仕事を変えたりすることです。
現実とは違う空想をいだくことも「逃避」の一種です。

F置き換え
実際に不安や恐怖、怒りを感じる対象ではなく、代理となるものに、その不安や恐怖、怒りを感じたり、ぶつけたりすることです。
たとえば、親に対する怒りを「抑圧」している場合、親と似た人に怒りを感じたりし
ます。
上司に対する「怒り」を、部下や子供に対して発散するというものです。

G補償
たとえば、勉強ができないという劣等感を、スポーツをがんばってほかの人より優れることで補おうとするようなことです。

H昇華
現実の社会で認められない欲求や衝動を、芸術やスポーツといった誰にでも認められる高次の価値を実現することで発散することです。

C ホメオスタシスとは生物の持つ重要な性質のひとつで、生体の内部や外部の環境が変化しても、その生体の状態が一定に保たれる状態のことをいいます。

D ある目的を遂行することによって得られる報酬への欲求だけでなく目的を完遂することへの欲求は、自己実現動機ではなく、欠乏動機に含まれるものです。

<参 照>
 マズローの欲求5段階
 @『生理的欲求』〜食欲、睡眠欲など生きるうえで必要不可欠となる欲求
 A『安全に対する欲求』〜危機回避や健康維持など、未来に対しての不安から自分の身を
            守りたいという欲求。
 B『愛情の欲求』〜人から良く思われたい、嫌われたくないなど、集団に対する帰属感を
         含んだ欲求。
 C『尊重の欲求』〜社会的ステータスを築きたい、人から認められたいという欲求。
 D『自己実現の欲求』〜「自分はこうでありたい」という、自らを為すことへの欲求。

 この欲求を満たしている人は稀であるとされます。
 QOL(生活の質)は生活環境の改善のみでなく、生き甲斐や満足度の向上をも目指すもの
 であるので、介護者の関与も大切な要素であることから、介護従事者にとっても重要な
 理念の一つとしなければなりません。


[問題4] 解答5

正しい。
いわゆる「短期記憶」のことです。
意味のある情報に関する短期的で限りのある記憶のこと。

正しい。
自分の経験や出来事に関する記憶です。
昔のことです。

正しい。
意味記憶とは一般的な知識などについての記憶で、年を取ってもも知識は増やせます。

正しい。
展望記憶=将来行うことに対しての記憶で「来年の今頃は〜になっているだろうな〜」という感じの記憶です。
過去の出来事についての記憶は、回想的記憶と呼ばれます。

手続き記憶というのは、職人さんが持ってる記憶能力を例にたとえると覚えやすいかもしれません。
職人さんの長年の経験から得た技能の知識の保持などを連想していただければいいでしょう。
どこかへ旅行に行って楽しかったは、回想的記憶です。



[問題5] 解答1

A 正しい。
認知症の介護には、気持ちをわかろうとする努力と訴えを否定しないことです。
また、しかったり注意しないことで、自尊心を傷つけないことが大事です。

B 正しい。
認知症のかたに次から次と情報を入れることは、混乱に拍車をかけます。
パニックにならないように一つ一つ簡潔に伝えることが大事です。

C 正しい。
意味不明のなじみのない言葉で語られたら理解できません。

D スキンシップ(肌と肌との触れ合いによる心の交流)は、人の心をほぐしてくれます。



[問題6] 解答3

A 正しい。
ポリグラフは「嘘発見器」のことです。
全ての質問に「はい」と答える、何か痛いところを突かれたら汗が出るなどの反応をみるものです。

B ウェクスラー式成人知能検査は全体IQ、言語性IQ(知的能力)、動作性IQ(作業達成力)の3種のIQ値を計ります。
現在、改訂され、成人用WAIS-R、児童用WISC、就学前幼児用WPPSIとして用いられています。

C 正しい。

D 正しい。



[問題7] 解答2

回想法は短期記憶を題材にするのではなく、保持される長期記憶を活かし情動に働きかける方法です。

正しい。
回想法は自分の過去を思い出し、それを語ることで記憶を刺激し、また、懐かしい思い出を振り返ることで情動が安定すると考えられています。

回想法では、高齢者同士の交流はかなり盛り上がります。

回想法は、高齢者が過去を思い出して昔を語り、よい聞き手との交流を通じて、人生を振り返る支援をすることで高齢者の心の安定や周囲のさまざまな人との交流を目指す援助の方法です。
記憶の正確さを確認するものではありません。

会話による手段も有効ですが、昔の画像、昔使っていた物などの活用も、もちろん有効です。



[問題8] 解答3

正しい。
読み書きができなくても伸ばせる個性があるので、個々の事例に応じた対応が要となってきます。

正しい。
学習障害には、読字障害、書字障害、算数障害があります。
読字障害は、よく似た文字の区別ができないという障害です。

具体的な行動面でのつまずきが多いのは、非言語性学習障害です。
算数・図形問題・位置感覚・方向感覚などに弱さがあります。

正しい。
読むこと、書くこと、計算するが苦手ですから、学業にも影響はでてきます。

正しい。
抽象的なものより、写真やさし絵のある具体的な教材のほうが好ましいです。